出版

BIの成功は、正確で適切に準備されたデータにかかっています。ここでは、質の低いBIデータが分析結果に影響を与えるのを防ぐためのヒントをいくつかご紹介します。

IT 部門が常に直面している課題は、データ準備の作業と分析およびビジネス インテリジェンス (BI) の開発作業を結び付けることです。
トランザクションアプリケーションの開発では、データが欠落しているかエラーがある場合にトランザクションプログラムが中止されるため、データ品質はそれほど問題になりません。このようなシナリオでは、データを修正する必要があります。
分析やビジネス インテリジェンスの作業では状況が少し異なります。ソフトウェア内でのデータ編集では、トランザクション プログラムで行われるものよりもデータの精査が少なくなるため、これらのアプリはデータが間違っていても実行され続ける可能性が高くなります。
それでも、正確な BI および分析データが、日常のトランザクション処理における正確なデータと同じくらい重要であるという事実は変わりません。
ビジネスインテリジェンスやアナリティクスプログラムが質の低いデータを処理すると、そのデータに基づいて誤った意思決定が行われる可能性が高まります。その結果、BIなどのテクノロジーが企業の意思決定にプラスの影響を与える能力が損なわれます。
参照: Microsoft Power Platform: 知っておくべきこと (無料 PDF) (TechRepublic)
BIにおける質の低いデータの影響を避ける方法
BIにおける質の低いデータによって分析結果が影響を受けないようにするには、データ管理とBIの取り組みを密接に連携させたIT戦略を策定することが重要です。その方法は以下の通りです。
1. 各BIアプリケーションに必要なデータ精度の程度を特定する
過去100年間の天気予報を分析して長期的な気象傾向を把握するような場合、データ精度が70%程度でも十分な場合があります。これは、大まかな傾向分析のみを行っているため可能です。しかし、翌日のドローンミッションの天候を把握するなど、はるかに高精度な天気予報が必要な場合は、95%以上のデータ精度が必要になります。
とはいえ、各ビジネスユースケースにおいてどの程度の精度のデータが必要かを判断するのは難しい場合があります。これは、BIアプリケーショングループ、エンドユーザー、そしてデータベースグループが、BIアプリケーション開発に着手する前に事前に決定しておくべき事項です。
2. BIアナリストと開発者をデータベースグループのデータアナリストと連携させる
クリーンで正確なデータは、主にデータベースグループの作業によって決まります。データベースグループは、企業データを管理し、BIが運用する新しいデータリポジトリにデータを移動します。
データベース グループと BI アプリケーション グループが互いに排他的な機能サイロで運用されている場合、IT 部門が健全なデータ管理プラクティスと BI アプリケーションの開発を結び付けることは困難になります。
3. データを準備する
データベース グループの支援により、BI 開発者は ETL (抽出、変換、ロード) ソフトウェアなどのツールを使用して、さまざまなソースから BI が使用するターゲット データ リポジトリにデータを移動する際に、データを適切にクリーンアップしてフォーマットすることができます。
参照: 2022 年のベスト データ サイエンス ツールとソフトウェア (TechRepublic)
データ準備は複数のステップから成るプロセスです。破損したデータ、重複したデータ、誤った形式のデータ、文脈に合わないデータなどを特定する作業が含まれる場合があります。
BI グループとデータベース グループは緊密に連携して、各 BI アプリケーションで受け入れられないすべてのデータとデータ形式を特定し、データを改革するか除外する方法を考案する必要があります。
4. BIおよび分析アプリケーションのドリフトを予測する
BIと分析に使用されるデータ、そしてビジネスユースケース自体も、時間の経過とともに古くなります。IT部門は少なくとも年に1回、ビジネスユーザーとデータベースグループと共にBIと分析アプリケーションのポートフォリオをレビューする必要があります。
- ビジネスユースケースが本来の目的から逸脱していないか確認し、BIおよび分析プログラムとデータの修正が必要になります。
- BI および分析アプリケーションで使用されているデータがまだ関連性があるかどうか、または更新または修正する必要があるかどうかを確認します。
こちらもご覧ください
- 2022年最高のデータ復旧ソフトウェア
- Power BIの代替製品:Power BIの競合製品を比較
- データサイエンティストになる方法:チートシート
- 採用キット: データアーキテクト
- 企業とエンドユーザーに最適なソフトウェア

メアリー・シャックレット
メアリー・E・シャックレットは、技術調査・市場開発会社であるトランスワールド・データの社長です。同社設立以前は、金融サービス企業TCCU, Inc.でマーケティング・技術担当シニアバイスプレジデント、コンピュータソフトウェア企業Summit Information Systemsで製品研究・ソフトウェア開発担当バイスプレジデント、半導体業界の多国籍製造企業FSI Internationalで戦略計画・技術担当バイスプレジデントを務めました。基調講演者であり、1,000本以上の論文、調査研究、技術出版物を出版しています。